日本人が混同して勘違いし易い概念は、華人と華僑との違いです。
例えば、中華系シンガポール人は、大半が数代前から東南アジアに移り住んだ華人ですが、彼らを指して華僑という表現を用いている人がいます。シンガポールに住む日本人の中にも、この違いについて無頓着に混同し考えている人がいますし、日本語メディアにも同一視して頓珍漢な論調の記事を見かけることもあります。
シンガポール人の民族別呼称として、チャイニーズという単語は使われ、文化的な区別としてもチャイニーズとも言われます。
しかしながら、シンガポール人としての国民意識を持つ中華系国民は、華僑でなく華人と言われるべき存在です。
移民としてマレー半島に移り住んだ人々が設立した中国各地方ごとの相互扶助組織は存在するものの、今では皆が移民国家シンガポールの国民です。
*中国からの新移民である1世はちょっと違う考えを持っている可能性はあります。
近年のシンガポールの国民意識の高揚とともに、中華系シンガポール人は中国人としての文化習慣を維持しながらも、中華人民共和国(勿論のこと、台湾も)のサポートする国外中国人では決してないこと。そこ点は充分理解すべき点だとも思えます。
- 華僑=移民元の国籍を維持、移住先の国籍を取得しながらも母国への所属意識を持つ人
- 華人=移民先の国民となり、人種としての中国人ながらも、中国(中華人民共和国、中華民国=台湾)という国に対しては他国意識であり、地元に根ざした人